凪。
私の名前には「波」という漢字が入っている。
だからなのか、「海」が好きだし
海のことを考えることがある。
海には、「凪」という時間がある。
風が止み、波が静まり、
水面が空をそのまま映すほど穏やかになる時間。
あれほど騒がしかった海が、
まるで何もなかったかのように静まり返る。
その姿は、
力強さとは違う美しさを持っている。
私たちは、大きな波に目を奪われる。
荒れ狂う海は迫力があり、
高く打ち寄せる波は、見る人の心を揺さぶる。
けれど、海はずっと荒れてはいられない。
荒れ続けた海は、やがて自らを削り、
岸を壊し、船の行き場さえ奪ってしまう。
静けさは、弱さではない。
すべてを壊さないために、
海が自ら選んだ休息なのかもしれない。
だから凪は、止まっている時間ではない。
目には映らなくても、
潮はゆっくりと流れ続けている。
海の底では命が息づき、水平線の向こうでは、
次の風が生まれる準備をしている。
何も起きていないように見える時間ほど、
きっと世界は静かに動いている。
美しいものには、音がない。
朝露が光る瞬間も、
雪が降り積もる夜も、
夕日が海へ溶けていく景色も、
誰かを待つ月明かりも。
大切なものほど、静かにそこにある。
凪もまた、そのひとつだ。
風が吹くことだけが海ではない。
波が立つことだけが海ではない。
何も映さないほど揺れる海よりも、
空をまっすぐ映し出せる海のほうが、美しい日もある。
だからこそ、
船は安心して進むことができる。
鳥は羽を休め、人は水平線の向こうを見渡せる。
穏やかさは、
何かが足りない景色ではなく、
何かが整った景色なのかもしれない。
きっと人生も同じだ、と言いたくなる。
けれど今日は、人生の話はしなくていい。
ただ海のことを考えたい。
風のない世界で、
静かに空を映し続ける、その美しさを。
「凪」という一文字には、
激しさでは届かない静けさがある。
そしてその静けさは、
どんな大きな波よりも、深く心に残ることがある。




凪は、いちばん嘘のつけない海だと思う
風がやむと、水面の凹凸は光の波長より小さくなる
そうなってはじめて、海は空をゆがめずに映せる
鏡になるというのは、静かになることではなく、精度が出るということ
整った海だけが、ほんとうの空を返してくる
でも、正直なのは表面だけ
その下では、密度の違う水と水の境目を、高さ数十メートルの波が音もなく進んでいる
ただ、「表面」が平らになるほど、それは見えなくなる
凪とは、動きが消えた状態ではなく、動きが内側へ移った状態のこと
これは熱もそう
風が混ぜてくれない日、海面は数メートル下より数度あたたかい
太陽の熱を受け取ったまま、その熱を渡す先がない
静かな海は、冷えているのではなく、抱えている
だから凪は、何も起きていない時間ではない
いちばん正直な顔をして、いちばん多くを内側にしまっている時間
ちょっと現象の擬人化無理やりしてみたけど、
ちなみさんのことを少ししれた気がします
自分も凪は好きです
沈黙もまた、メロディーか…
不苦労、ポエムったな!!笑🙏